暑い日の午後














今日クライアントの事務所へ歩いて訪問する際に途中の道路が工事中で交通整理を行っていた。1車線通行にしているので、交通整理の人が上りと下りの車を順番に流していた。

交通整理の人に止まってください、と促され歩を止める。
交通整理をしているのは結構いい歳をしたおじいさんと言っていい年齢の人だった。

何かフランクなおじいさんで、待っている間に何の工事をしているのかとか、今日の天気とか色々話をしてくる。

小柄で人懐っこい話し方が印象的、そんなおじいさんだった。

今日の昼過ぎの都内は気温もあがり、日差しもきつくなっていた、その中でさらにマスクを付けての交通整理、そしてあの年齢。

真っ黒に日に焼けた顔を見ると、きっとこういう現場の仕事をいくつもこなしているのだろう。正直大変だと思う。

去り際に『暑いので無理しないでくださね。』ぐらいの言葉をかけようかとも思ったが言葉が出てこない。

無理したくないのはおじいさんからすれば百も承知、それでも無理して働かないといけない事情があって働いているのかもしれない。常識的に考えてあの年で働こうとするということはそういう事だろう。

そう考えると自分がかける言葉の上っ面だけの意味の無さみたいなものを感じてしまい、どうしても言葉に詰まってしまう。


これからの日本は多くのお年寄りが働かざるを得ない時代になってくる。現にコンビニでもマクドナルドでも自分の親ぐらいの年齢の人が働いている。日雇い派遣などでもそうだろう。

本人の生き甲斐やボケ防止などの目的ならいいが、実際は経済的な事情ということがほとんどだろう。

経済活動に参加する以上、彼らから客としてサービスを受けたり、一緒に働くことがあるかもしれない、そうしたら気遣いの言葉をかけるどころかクレームを言わなくてはいけない状況だって発生する。

老体に鞭を打つ、リアルでその当事者になることがあるかもしれない。
でも働いてお金を稼ぐってそいうこと。

資本主義というリングに上がることは厳しい。
それでも彼らは生活のためにリングに上がりファイティングポーズをとらざるを得ない。

確実にそういう未来が来る。
そんなことをモヤモヤと考えてしまった。


ーー

車の流れが止まり、おじいさんに通行を促され『お疲れ様です。』と会釈をして先を急ぐ。
少し歩いた後で後ろを振り返ってみたが行きかう車におじいさんの小さな体は隠れてしまい見つけることは出来なかった。

まぁそんだけの話。






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